by ノーメイク〜憲法学入門〜の管理人 |
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シンジの2002年紅白歌合戦を総括します。今年の曲目は「昴」。まさに定番ですが、シンジ本人が「紅白では自分が歌いたい曲よりみんなが歌ってもらいたいと思っている曲を歌う」と述べていることからして、これを責めたり、ワンパターンなどということはできません。なぜなら、シンジはファンのことを考えてリクエストに応えているだけだからです。まさにプロ。では、2002年のシンジを (2)演 出 (3)まとめ の順で考察していきましょう。 (1)視聴率 2002年のシンジには、「ハンディ」がありました。それは歌う順序です。中島美嘉、中島みゆきという「両中島」に挟まれているという不運な順序でした。中島美嘉は彗星のごとく現れた実力派歌手であり、中島みゆきはいうまでもない超大物、ついに出場した歌姫です。話題に事欠かない両者に挟まれ、シンジの視聴率面での苦戦が予想されたのでした。そしてその結果は・・・
この結果をどのように見るべきでしょうか。私は次のように考えます。やはりシンジは偉大であると。一見すると、両中島に挟まれて、視聴率を落としているかのように見えます。しかし、関東ではそれは最小限に収まっており、誤差の範囲内と言っていいでしょう。他方、関西では1.1ポイント落としていますが、関西人がつまらないと思えばすぐにチャンネルを変える厳しい視聴者の集まりであることからすれば、これも十分に最小限と言うことが言えます。このことは、関西における他の歌手の視聴率を見ることで分かります。例えば、21:02に出演した長山洋子は、46.1(モーニング娘。より高い)を叩き出しましたが、直後に出演した鳥羽一郎は、宇崎竜童・ラッツ&スターの桑野らとレベルの高いステージを披露したにも関わらず、視聴率では41.3%と長山から-4.7ポイントに終わりました。また、「津軽じょんがら節」を歌った香西かおりは53.0%を取りましたが、次に「津軽山唄」を歌った細川たかしは44.8%と、なんと-8.2ポイントを記録してしまったのです。もちろん、鳥羽・細川の実力が折り紙付きであることは言うまでもありません。それでもこれだけの下落を招いたのは、ちょっとつまらないと思えばすぐにチャンネルを変える厳しさを持つ関西人気質くらいしか説明の仕様がないのではないでしょうか。実際、関東では、鳥羽の下落率は2.0、細川は5.5に留まっているのです。(余談ながら、私は、鳥羽の視聴率低下は、ギターが気になったため、本人が歌っているときに下を向いていたから、細川は曲目の知名度が「じょんがら節」と比較して低かったからだと考えています。) 関西人が大変厳しい視聴者の集まりであるとすれば、そんな中で「ハンディ」 を抱えたシンジがこれだけの高視聴率を出したことは驚嘆に値するといえるでしょう。楽曲のすばらしさ、絶対的な歌唱力、演出などが支持を集めたものと思われます。ちなみにこの視聴率は、さだまさし(関東46.9、関西47.7)、ゴスペラーズ(関東47.4、関西48.2)とほぼ同じ、大阪勢の天童よしみ(関東47.2、関西49.3)をやや下回り、和田アキ子(関東45.6、関西44.6)を上回っています。なお、べーやんは出演時間が早かった(20:03)こともあって、関東35.5、関西37.6。 (2)演出 次に演出です、今回の「昴」の演出には大きな特徴がありました。それは胡弓奏者との競演です。「昴」の楽曲と実に良くマッチしていました。客席の中の舞台での演奏がまた素晴らしかったように思います。これに間奏時の男声合唱団が加われば完璧だったのですが・・・予算の都合か、男声合唱団は録音(ぽい)でした。実に残念でした。胡弓+男声合唱団+シンジなら、楽曲のスケールの大きさがさらに際だったであろうからです。しかし胡弓+シンジでも十分に「昴」の素晴らしさは表現できたと思います。そう言う意味では、今回の演出は成功であったと言うことが出来ます。2001年とは大違いです(苦笑)。 (3)まとめと今後の課題 今回のシンジは良かった。これが結論です。シンジは、「ハンディ」をものともしない魅力を持ち続けていることが再確認されたのです。さすがシンジ。 |
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