アリス浪漫トーク<名古屋編> その3

By 麗 光


15. カリフォルニアにあこがれて

ち「堀内孝雄です、もう一度大きな拍手を!」
べ「ありがとうー!」
ち「今回ミレニアムステージということで、心の底から感じています!」
会場一同、大きな拍手。
ち「今回、アリスで名古屋に来て……本当は去年の夏に名古屋に来れば良かったと後悔しています。名古屋に、ぼくらの大切な友だちがいました。過去形になってしまいましたが、井上まさしといって、学生の頃から一緒に活動していました。そして名古屋に音楽をもっともっと広めたい、という彼の思いに僕らも感動して……。去年、病気でこの世を去ってしまった。通夜の時の、本当にいつもの顔のまま……今日も演奏中に彼の顔が何度か浮かびました。
今もう一周忌。もうお盆なので、井上君は今日この会場で観てくれているかも知れません。ありがとうという思いを込めて、この曲を歌ってみたいと思います。アリスが解散してから20年間、一度も歌わなかった曲です。「砂の道」

16. 砂の道

べ「谷村新司に大きな拍手をお願いします! 泣かすなよ!」
べ「いっぱい友だちがいるから、早く逝っちゃうやつもいるし……」
ち「なんかくやしいね。井上君はきっと会場の隅でこっそり観ていてくれると思います。でも、後に続くたくさんの人たちが、長年いい音楽をいっぱい運んでくれて、うれしいなあと思っています。アリスはこうやって集まったときに、アルバムを作りました。みんなも知っている沢山のあの曲もあり、今の歌で、今の声で演奏しています。あの当時、ぼくらはすごくいいと思ったんですけど、気がつくと隠れてしまった……望んでいないのに隠れてしまった(笑)、それをあえて入れてみました。この歌は、ちょうど1980年、アリスが中国と国交を回復したときに北京でコンサートをして、そのときにステージで歌った歌です。1万人くらいのステージでは、3割ぐらいの方が人民服を着てらっしゃいました。当時はみなさんが余りコンサートを経験したことがなくて、拍手をしていいのかどうかも分からない、そんな状況があったにもかかわらず最後にはみんな立ち上がって拍手をしてくれました。そのとき、中国側で担当してくれたのがトウショウヘイさんでした。その北京で歌った隠れた名曲、『何処へ』というタイトルです」

17. 何処へ

ち「何処へ……」
べ「い〜い歌ですね〜。言葉を挟むようですけど」
べ「生きているといろんなことがあるけど、時には本当の共のような人が現れても、それでも『さらば〜!』って……語り明かしたねぇ、いろんなこと。また思い出しちゃうなぁ……」
涙ぐむべーやん。
べ「『人は誰も旅人 一人で生きることを知る……』なんかまるで俺のことだなぁ……(笑)」
ち「これさあ、ちょうど皆さんの人生でも別れって経験されると思うんですけど、いろんな出会いが僕らにとっては大事なことなんだけれど、『再会』っていうのは、一番素敵な出会いだという気がします。『Someday, somewhere, somehow』いつかどこかで、というよりもsomehow、どうにかしてもう一回会ってみたいという……再会は、最初の出会いよりも数段素敵で重要な気がします。今日、会場にこんなに沢山の愛があります。そんな皆さんに対して感謝の気持ちを歌にしたい、と思いました。その歌を今から歌いたいと思います。『LOVE SONGを忘れない』

18. LOVE SONGを忘れない

べ「きんちゃん、いい曲作ってるなぁ〜。やっぱりきんちゃんらしい曲で、詞の方はチンペイさんとのコンビでこの曲が新しい2001年のアルバムに入っています。是非お聞き願えたら、と……『買って!』(笑)『お願いだから!』(拍手)」
ち「今度は新しいライトハウスって言う曲なんですけど、これは灯りを照らす灯台、今現在の心境を表しています。それじゃ、『ライトハウス』、お送ります」
べ「手拍子〜!!」

19. ライトハウス
20. 狂った果実

ち「狂った果実、お送りしました。あの頃は、狂った果実がかかるとそろそろコンサートは終わりに近い……(笑)。なんとなく感じてくれてると思います。この後は、みんなが知っている歌を順番に歌っていきます。矢沢がピアノに行って、このスタイルで出てくる歌というとお待ちかねのあの歌かも分かりません」

21. 帰らざる日々

「最後の〜」でかなりタメるチンペイさん。合間には、べーやんが「ヒューヒュー」と合いの手を入れていた。「バイバイ〜」からは、みんなの拍手がリズムをキープ。

ち「次に歌う歌は、心の支えみたいになっています。作ったときは、そんな風には余り感じなかったんですけど、やっぱりこの歌に随分元気づけられたなあっていう感じがお互いに感じます。『遠くで汽笛を聞きながら』」
べ「スリー、フォー!!」


22. 遠くで汽笛を聞きながら

ドラムがドンドンと鳴って、チンペイのmcが入る。
ち「最後だよ、悔いのないように! いくよ! いくよ! ワン、ツー、ワンツースリー!」

23. チャンピオン

ち「サンキュー!!」
舞台から去っていく三人。拍手は鳴りやまない。
しばらくして……

アンコール
べ「もう、まったくしょうがない人たちだなぁ!! 期待してました〜(笑)。まだまだ終わらないぞ〜!」
ち「今日は最終日で明日は休みやし……。(会場一同大喜び)みんな、大丈夫か?」
拍手が一段と大きくなる。
ち「よっしゃ〜、いくぞ〜!」
べ「あっつぃー〜! 本当にありがたいね、今日は親子できてくれた人、先輩に当たる年齢の方も本当に暖かい……本当にありがとうございます、ありがとう!!」
ち「アリスの初期の頃の曲をもう一曲歌ってみようと思います。この曲、知ってるかな〜?」
ち「だ〜れも〜しら〜ない〜」
ここで止めるチンペイさん。拍手の様子をうかがっている。もちろん会場一同、拍手喝采。

24. 明日への讃歌

べ「まだやります〜!」
ち「明日休みやし! 明日は、みんな肩が痛いと思います(笑)。今度、みんなといつ会えるかってまだ分かりませんけど、今度会うときまでみんな元気でいてよ! ほんとうにありがとうございました!」
べ「ありがとーーーーーー!!」
ち「もう一回、僕らのメッセージ、歌います。『ライトハウス』、手拍子!!」

25. ライトハウス

拍手が会場で鳴りやまず、呆然と立ちつくす人、完全燃焼してすがすがしい顔をしている人……、会場の外では、アリスグッズを買いあさる人々の姿(笑)がありました。コンサートを見に来ていた人、みんなが120%満足して帰っていったようでした。

いかがでしたか? 会場の興奮が少しでも伝われば幸いです(2001.11.2)。

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